今回紹介するのはKEYTALKが2013年にリリースした「ONE SHOT WONDER」です。
KEYTALKについて
KEYTALKは、2007年に結成された4人組ロックバンド。メンバーは、寺中友将(Vo,Gt)、小野武正(Gt)、首藤義勝(Vo,Ba)、八木優樹(Dr)という編成です。商業的にも成功していますし、国内での知名度はかなり高いバンドかと思います。
正直、国内の音楽ファンで熱心にKEYTALKを聴いている方はあまり多くないと思います。「ライブキッズのためのバンド」「フェスで踊るためのバンド」みたいなイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、私はKEYTALKがもっと評価されても良いバンドだと感じています。特にインディーズ時代の楽曲では、なかなか同じようなことをしているアーティストが見つけられないような独特の雰囲気を味わえます。
「ONE SHOT WONDER」について
「ONE SHOT WONDER」はKEYTALKが2013年にリリースした初のフルアルバム。インディーズ時代最後の作品です。
収録曲は、以下の12曲です。
1. UNITY
2. B型
3. fiction escape
4. 祭りこぞう
5. S.H.S.S.
6.ブザービーター
7. 茜色
8. Spring Sparkle
9. フォーマルハウト
10. happy end pop
11. summer tail
12. 見上げた空に
KEYTALKは作曲を行うメンバーが複数います。寺中さんによる楽曲はシンプルな歌物が多く、小野さんによる楽曲は軽やかでファンキーな曲が多く、首藤さんによる楽曲は独特な「KEYTALK節」を感じるものが多いです。また、ツインボーカルのバンドであり、艶やかな歌声の寺中さんと、無垢な歌声の首藤さんの2人の歌声が登場します。
作曲者もボーカリストも変わるとなると、音楽性がブレてしまいそうですよね。実際、曲の雰囲気は多様なのですが、それでもまとう空気感が統一されているのがこのアルバムの好きなところです。
この空気感を言葉で表現するとすれば、「垢抜けなさ」でしょうか。楽しげなフレーズが多いにもかかわらずどこか哀愁を感じる響きが、アルバムを通して感じられるような気がします。
加えて、やっぱり小野さんのギターフレーズと首藤さんのメロディーセンスが光っているアルバムだと思います。メジャー移籍後もこれらは健在なのですが、まとう雰囲気が格段に明るくなったので、抱く印象が大きく変わっています。インディーズ時代の楽曲の延長線で見ると、現行の楽曲たちの印象も変わると思いますので、ぜひ聴いてみてください。
プラス1ソング
Alaska Jam – FASHION
KEYTALKギターの小野武正さんが在籍しているもうひとつのバンドです。KEYTALKから歌謡の要素を控えめにし、ヒップホップの要素を足したような音楽性です。小野さんのギターフレーズの格好よさを強く感じることができます。
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